【上海2】仏像にうっとり見とれた日と、神さまの視点に立った日-玉佛禅寺と上海環球金融中心
日本語で「玉仏寺(ぎょくぶつじ)」。
地下鉄7号線の長寿路駅で降りて、観光色のかけらもない小汚い、もとい雑多なまちを歩いて歩いて、交差点を曲がって、角を曲がって10分か15分。地図さえあれば迷わない。町中にあるごく普通のお寺......と思いきや、上海最大の禅宗寺院とのこと。
拝観料はひとり20元(330円くらい。お寺にしてはちょっと高いように思う......)。
大雄宝殿の裏側にもびっしり神さまが。
なんて見事な。
見事な仏像。
金ぴかなのに、どこか品がある。
不謹慎を承知で言うと、ディズニーランドのアトラクションのごとく色んな神さまがひとつの部屋に上から下まで集まっていて、物語を紡ぐように表情豊かに微笑んだり怒ったりしているのに、決して、絶対に「ちゃち」ではない。
お寺の名前になっている玉仏楼には、ミャンマーから持ち帰られたという玉仏坐像が。
白いつるんとした肌に、目を半分開けたお顔。
あんな穏やかで優しい表情は見たことがない。
仏像にハマる女性が増えている、というニュースをテレビでみたのはもう何年も前のこと。「癒し」らしい。この仏様を見てはじめて、その気持ちがわかる気がした。延々と眺めていたいお顔。
写真撮影禁止のこの仏様は、欧米人には不人気らしく、さっと見てさっと去っていくひとが続出。写真で撮ってどうするの。この言葉が見つからない、むしろ言葉などいらない、まるっと身も心も包み込む優しい空間は、あとから写真で見返したところで伝わらない。今ここでできるだけ長く体感しなきゃ、もったいな過ぎる。
この方々は撮影禁止の秘仏とは違いますよ。
仏教の知識があれば、「読む」ように参拝できたろうに。
旅は、毎日毎時、いつもじぶんの知識不足を嫌と言うほど実感する。
宗教も、歴史も、建築も、美術も、文化も。
●土曜日 「上海環球金融中心(SWFC:Shanghai World Financial Center)」
要するに、めちゃくちゃ高いビル、である。
その展望台に上ってみましょう、という観光である。
チケットは、「94階のみ」(120元)と「94階、97階、100階」(180元)の2種類。
......ということを模型で説明するとこうです。
ここまできたからには、もちろん100階まで上れる方を。ビルに上るだけで約3000円なので、決して安くはない。
下から見上げたところで、あの栓抜きのようなてっぺんは到底見えない。
エレベーターに乗り込み、一気に地上474mへ。
なにがすごいって、このエレベーター。うそみたいに速い。1分かそこらで400m以上駆け上がる。頭上に高さ(メートル)を表示する電光掲示板があり、そこの数字が5、10、20、30、40、50......と2秒に1回くらいの間隔で伸びていく、そのほとんど気味悪いような感覚といったら! このまま宇宙かどこかにぽーんと運ばれてしまうのではと脳が混乱してしまう。
時速...(と言っていいのかな?)1000km近いような速さで移動する飛行機で太平洋を横断することにずいぶん慣れてしまったとはいえ、「乗り物」と「エレベーター」じゃ体感としてまったく異なる。
とにかく、「あの表示は嘘だよ。このハコがそんなに速く動くわけないよ(笑)」と思わず口に出して言ってしまっているうちに、実際、ドアが開いたら空の上なのだ。
地上474メートル。100階。
空がどこまでも白っぽいので、どことなくぼんやりした視界。
ここまでの高さになると、これは「山」の高さだな、と思う。
丘でもいい、崖でもいい、なんでもいい、「人工」じゃないもの。
「展望台」としては、世界で2番目に高いらしい。
行ったことはないけれど、東京スカイツリーの展望台は451.2m。やはり上ったことはないけれど、トロントのCNタワーのそれで446.6mなのだそう(意外と高いもの作っちゃっていたのね、カナダ)。
とにかく、これは神さまの視点。山の視点だなあ。
いつもありがとうございます。カナダ情報じゃないですが......。
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by paquila | 2016-05-02 17:16 | 【上海-2016】 | Comments(0)