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無料のおもしろネタ画像『デコじろう』用アイコン02 【インド14日目③】ひとの手で、100年。   

1月19日 エローラ

お昼を食べに行けばよかったのに、時間を気にして行かなかった。
ゆえに空腹で余計に疲れが増し、体力がなんとか残っているうちに、先に最大の見所である第16窟を見てしまうことにした。

第16窟。カイラーサナータ寺院。

寺院を上から見下ろした写真。手前が本殿
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高さ33メートル、幅47メートル、奥行き81メートルという。

本殿の前、「前殿」と呼ばれる部分の屋根?【インド14日目③】ひとの手で、100年。_e0224424_1656133.jpg

8世紀中頃から彫り始め、100年以上の歳月をかけて完成した石の寺院。
8世紀といえば、日本では奈良時代。インドでカイラーサナータ寺院の着工(756年)とほぼ同時期に、奈良の東大寺の開眼供養が行われている(752年)。1200年以上前の、気の遠くなるような昔の話。

大きさにまず驚く。それから、これが切り出した石を積み上げて造られたものではなく、地面とつながったひとつの岩をひとの手で削って削ってこのような巨大な、高層建築物のようなものを造ってしまったというところに驚く。
だって、どう見たって「彫刻」には見えない。「建物」に見える。

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山にしか見えないような岩の塊を、こんな風にしてしまうなんて。

途方も無い技術だけれども、このような石造建築を平地に建てるよりも 技術的には楽だという説もある。
石切り場で石を切り出し、現地まで運搬。石を加工して、足場を組んでそれらを運び上げる。それよりは上からコツコツと切り崩していった方がよいというのだ。
相変わらず建築には疎いので、ふむふむと思うも、いずれにせよもう想像に及ばない。
「歩き方」に書かれていた、「100年以上もの間、毎日毎日、日の出から夕暮れまで、カナヅチとノミの音がこの小さな丘にこだまし続けていた」という表現がとても印象的で、想像の助けにする。

回廊。
寺院を囲う左右の岩壁には、2階建ての石窟寺院がある。

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女性?の神?が誰かを肘枕にしてしまっている。
インドではときどきこういう、頭を足で踏みつけられていたり、
串刺しにされている彫像をみかけた。それぞれに神話があるのだと思う。
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あいにく寺院正面からの写真は、撮れない。
いちばん手前に大きなゴープラム(塔門)があり、それを抜けるとどーんと寺院があるのだけれど、距離がない上、巨大過ぎてとうてい写真の枠内におさまらない。
それにしても、どういうわけかあまり写真が残っていない。あっけにとられ、完全に見とれてしまって撮らなかったのかもしれない。


写真でも、文章でも、とうてい伝えることはできない。
あの場に立って、見上げて、1200年前のにんげんの手作業に思いを馳せ、「たまげた……」と口を開ける。
「偉業」という言葉は美し過ぎる。完成をみることなく生涯を費やしたひとたちと、途中から引き継いで完成させたひとたちの、途方も無い地道な労力。

たまげた。

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*年代や寸法は、本やwebサイトによって若干の相違があったので、
もしかすると間違っているかもしれません。
でも、1200年以上前のたかだか数年の誤差なんて!!
1メートル2メートルの誤差なんて!!



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by paquila | 2011-04-24 18:26 | 【インド-2011】西インド | Comments(0)

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