【インド14日目②】第29窟とジャイナ教寺院
容赦ない太陽の光を浴び、インドの妖精のちからを借りて乾いた大地をよじ登り、歩いて歩いて辿り着いたのは、第16窟の次に大きい規模という第29窟だ。
寺院の中央に設置されている「リンガ」を囲むように、守護神が。巨大。
大きさは、ちょうど「股」のあたりが大人の人間のアタマくらい。
優に4メートルくらいはあろうかという石像。
右上にのびる腕が、刀でヒト型のなにかを貫いている。
インド人観光客が大勢おり、彼らはたいてい大家族で見学している。
何度も囲まれて、写真を頼まれる。「撮ってください」という意味だと思いカメラを預かろうとすると「ちがうちがう」と言う。「撮らせてください」なのだ。
というわけで、見ず知らずのインド人家族の真ん中に立って写真におさまる。その次にひとりひとりが「じゃあ次はわたしと」となり、撮影会は延々続く。
こういうことが、旅の途中何度もあった。インドを旅すれば誰でも必ず経験することだと思う。わたしは一体何家族の写真の中にいるのだろう。
◆
さて。そんな大家族たちはさーーっと引き上げて車で次へ向かってしまい、誰もいなくなったところで、再び崖をよじ登り、さらに離れたところにある第30~34窟。ジャイナ教石窟寺院へ向かう。
いい天気! おなかが空いてきた。とっても。
さて、ジャイナ教とは? とにかくものすごく戒律が厳しい宗教らしい。不摂生を貫き、肉や魚はもちろん、土の中で育つ根菜も食べてはいけないのだとか。
そんなジャイナ教の石窟寺院。
2階建て。狭くて急な階段で2階に上れる。
石なのに、こんなにもしなやかなカラダを。
圧倒されてひたすら天井を見上げる。柱を見上げる。壁面を見つめる。
ここでは韓国人の団体客と出くわした。久々、アジア人の固まり。さすが観光地。
大体みんな見所である第32、33窟を見てまたさーーっと引き上げていくようだ。でもわたしはここまで来たからには(しかも自力で)と、根性で丘の上の石窟に向かう。今度は崖じゃない。一応階段らしきものもある。
せっかくなので、1枚。どこのものか忘れてしまったけれど、
あまりひとが行かない上の方の石窟だったと思う。
途中までは韓国人もうろうろ登ってきてはいたけれど、いちばん上ともなると誰もおらず、石窟もなるほど、まるでたいしたことはなかった。
つくりが明らかに雑というか、大雑把。とりわけ立派な32窟を見た後となると、残念ながら空腹を押して暑い中一生懸命登ってくるほどのことはなかった。
端まで来たので、次は戻るしかない。今度は車道をてくてく歩こうか。結局来た道を引き返した。おなかが空いて、空いて、かばんの中に飛行機でもらったピーナッツを見つけ、それを大事にかじりながら、再び登ったり下りたりひたすら一目散に歩いた。
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by paquila | 2011-04-13 22:49 | 【インド-2011】西インド | Comments(0)