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無料のおもしろネタ画像『デコじろう』用アイコン02 【インド3日目②】maybe next year   

1月8日 マハーバリプラム→チェンガルバトゥ

マハーバリプラムはほんとうにどこでも歩いていけるところが良い。
バスターミナルは町の中心にあり、ターミナルと言ってもプラットフォームなどは無く、
単に空き地にバスが何台も並んでいるだけだ。
Enquiry(問い合わせ窓口)でティルチーに行きたいと伝えると、やはりチェンガルバトゥに行くよう言われ「あれだ! あのバスに乗れ!」と目の前のバスを指差す。
それは赤くて汚れたボロボロのバスで、いかにもローカルバスといった風貌。
実際乗っているひとは皆インド人で、観光客らしきひとはいない。
幸い、3人乗りの窓際の席を確保できた。


南インドはバス路線が発達しており、どこへ行くにもバスが出ていて便利なのだそう。
どこへ行くにもといっても、広い国なので乗車時間は数時間に及ぶ。
それなりの長距離バスを想像していたわたしは、やや面食らった。
これは後々わかったことだが、お金をたくさん払えば、豪華なプライベートバスに乗ることができる。今思えば、きのうお金を取りに行った旅行代理店のおじさんも、「ティルチーに行くならバスチケットを予約してあげるよ!!」と言って600ルピー以上の値を提示したのだった。


乗り込んでまもなくバスは出発。
しばらくすると、車掌のような男が乗車賃を徴収し始めた。
ひとりひとりに行き先を聞き、料金を徴収して切符を発行する。
誰が払って誰が払っていないかこれで把握できるのだろうかと心配になるくらい、とても原始的。インド人はせっかちなのか、四方八方から小銭を手にした腕を車掌に伸ばす。

果たして、ここからチェンガルバトゥまでいくらなのか、皆目検討もつかない。
旅行代理店はティルチーまでが600ルピーと言っていた。ということは、ローカルバスとはいえ、少なくとも100か150ルピーくらいはするのだろうか。
やっとわたしの番がきて、行き先をつげると「Rs9」と言われ、面食らう。
途中までとはいえ、約1時間ちょっとの距離を20円ほどでこと足りてしまった。

【インド3日目②】maybe next year_e0224424_17333623.jpg

バスで隣に座ったおじさんは、ニコライさんと言い(「ロシアで仕事をしていたからこの名前にしたんだ!」)、英語が話せる。昔は映画のカメラマンで、なんと大阪万博、EXPO'70を撮影しに日本に来たこともあると言う。

ニコライさんが「結婚はしているのか」と聞くので「していない」と答える。
これは旅に出る前から決めていた答えで、「している」と言うと、旦那の仕事はなんだ。収入はいくらだ。こどもはいるのか。なぜこどもをつくらないんだ。なぜ旦那を置いてひとりで旅しているんだ、などなど面倒な質問攻めにあうのだと、いくつかの本やネットで読んでいたため、この旅では「独身」で通すことにする。
実際独身同然の生活をしているので、罪悪感はない。

次いで「それではボーイフレンドはいるのか」。
これには「日本にいる」と答えることにする。
「いるけど日本にいない」とか「いない」とか答えるとそれはそれで面倒だからだ。
「ボーイフレンドと結婚しないのか」。
これに関しては答えを用意していなかった。「まぁね、どうかな、たぶんそのうち……」とごまかしていると、ニコライさんがにやりと笑って「maybe next year(たぶん来年あたり)」と代わりに答えてくれた。

実はこれが大いに気に入ったわたしは、この日から毎日のようにこの言い回しを使うことになる。この手の質問は会う人会う人から受けるし、これを言うと、たいてい皆が笑ってくれる。それに「結婚したいんだけど、彼氏が煮え切らないというちょっと可愛そうな子」のように思われるので、それ以上ああだこうだ突っ込まれずに済むのだ。
お茶目なニコライさんに感謝。

そのニコライさんが、チェンガルバトゥの自宅に泊まっていくと良い。息子に会ってくれ、と言う。なんだかんだ言ってわたしの「ボーイフレンド」はあまり関係ないらしい。先を急ぐのでと丁重にお断りする。そうこうするうちにバスはチェンガルバトゥに到着。

さて、ここからまずどこに行き、何に乗ってティルチーまで行けばいいのか。
そわそわしていると、ニコライさんが「心配いらない。着いてきなさい」とバスを降りていく。
そこはマハーバリプラムより大きなバスターミナルで、ひととバスでごった返している。
これはひとりでは相当困っただろうな……と思いながら、さくさく歩いていくニコライさんの後を追う。バスターミナルを抜け、そこからのびる1本の道路を指差すニコライさん。
「あの道をまっすぐ行けば駅がある。列車に乗って行きなさい」

何度もお礼を言い、ニコライさんと別れて駅に向かった。


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by paquila | 2011-02-03 22:10 | 【インド-2011】南インド | Comments(0)

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