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無料のおもしろネタ画像『デコじろう』用アイコン02 【上海4】レトロ建築を包む21世紀の光と、天を駆ける3本指の龍-外灘と豫園   

●土曜日 「外難(The Band)」

英名でバンドと呼んだり、中国語でWàitānと呼んだり。
黄浦江(こうほこう/Huangpu River)の西岸に建ち並ぶ西洋建築群と、川向いの近代建築群が見所の、ウォーターフロントエリア。歩行者天国で観光客と若者が入り乱れる南京東路をまっすぐ東へ歩くと突き当りがまさにそこ。川沿いはきれいに舗装されていて、広いし、歩きやすいし、観光しやすい。

上海ド定番の風景はまさに外難から。
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関西で言うところの神戸の洋館や、大阪は中之島あたりの西洋建築のようなどっしり重厚な石の建物が、よどんでいるのにどこか力強い黄浦江を臨む形でどーんどーんと並んでいる。
19世紀末から20世紀前半にかけてイギリスやアメリカ、フランス、ドイツなど諸外国がどんどんやってきてどんどんじぶんたちの場所を築き上げたのが上海。その中には日本も含まれる。

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西洋人に合わせた建築がどんどんなされ、今に残る。西洋の人たちはどこまでも「よかれと思って」よその国にはびこっていくなあ、とちょっぴり疑問に思う反面、その恩恵を受けて受入国が近代化したことも事実なわけで、まあ、歴史はどうあれとりあえず今はもう誰も造らない(造れない)ような芸術的建築が残っているにこしたことはないかと、建築知識のかけらもない頭でそびえる石の建物を見上げるのだ。

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ちなみに、ウィキペディアによると「外灘」という名前は、「外国人の河岸」という意味なのだそう。
ところで、上海ではずっと天気がいまひとつだったので(というか、これは「曇り」なのか? 空が真っ白。朝から日が沈むまで真っ白。雲の輪郭すらない)、たまには夜景を楽しんでみましょうと、黄浦江のナイトクルーズに参加してみる。昼間のうちに外難の販売所で当日券を買い、指定の時間に指定の乗船場に行く。

日没後は雨さえ降らなければ天気はあまり関係ない。
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この船に乗りますよ。
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もう、なんでこんなに電気を使うのーー。そこまで明るくしなくてもーー......というくらい、とにかくまばゆい。東岸の高層ビル群も、ビルの壁面一面を電子広告にしてしまうあたり。比較的安いコンパクトデジカメでうんと離れた場所からここまで明るく撮れてしまう光量。

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このとき、3月。外に出ると寒い。ものすごく寒い。
だから中で椅子に座って眺めるのが得策なのだけれど、中国式の大きな円卓を囲む真っ赤におめかしされたた椅子はあいにくぜんぶ埋まっている。そして、座っている人たちはずーっとスマホに目を落としている中国人が多い。一体なんのためにお金を払ってここにいるのだろう?? 

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そんな船内の人々をよそに、根性で外で観賞。息継ぎするように時折船内に非難しては冷えた体を温め、また外へ。堪能してやるのだ。この人工の、文明の、上海はこれができるんだぞ、というパワーを。

ちなみに、クルージングはひとり120元(約2000円)でした。
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●日曜日 「豫園」

日本語で「よえん」と読む。中国語でYùyuán。
混雑を避けるべく、朝から出向く。あいにくの雨。ひとが少ないことを願いつつ。
名園が集まる蘇州に行こうかここで妥協しようか、最後まで迷った。
「ここで妥協」なんてずいぶん蘇州にも豫園にも失礼なことを。絶対に比べ物にはならないだろうけれど、結局蘇州は諦めて、せめてものという思いでやってきた明代の中国庭園。

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庭を守るように取り囲むのは宙をうねる龍(写真上)。「龍壁」と呼ばれている。
ところで、この龍は足の指が3本しかない。
元々「龍」は皇帝のみが使える生き物だったが、ここの龍はホンモノのそれより足の指が2本足りない。だから「これは龍ではないですよ」と誤魔化す?ための策でこうなった、というのが通説。
嘘みたいな話に聞こえるけれど、この国の人たちはディズニーランドのミッキーをあんな風にしたり、ドラえもんをこんな風にしたり、「似て非なるもの」を普通に作っちゃうからなあ。

それはさておき、広い園内は順路があるのかないのかよくわからず、あっちに行っては戻り、こっちを見ては戻り。とにかく回廊から屋根、すかし窓、家財、それから名物の奇岩にいたるまで見所が多い。

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うねる壁、流れる回廊、朱色の東屋。
静と動が交じり合うような空間。どこから覗いても、どこから顔を出しても、あっと誰かに教えたくなるような風景が待っている。きっと、計算され尽くしている。
でも、残念なことにやっぱり「庭」の「観方」は全然知らないのです。

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ここに生きたひとたちはきっとお気に入りの場所があり、考え事をするならここ、何も考えたくないときはここ、などあったに違いない。......と、いうようなことを想像するのが好きだ。


いつもありがとうございます。カナダ情報じゃないですが......。
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by paquila | 2016-05-07 10:00 | 【上海-2016】 | Comments(0)

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